床框用欅材製材
移築再生用古材の磨き作業も終わり、
次は工場内での仮組みの過程に入っていきます。
さて、島村葭商店は少数の部材からのご注文も承っております。
今回は築250年の古民家から取れた欅の鴨居を製材して
床框としてお使いいただくことになりました。
築250年の湖北地方の古民家から取れた欅の鴨居
欅材は反りやすいため、仕上がり寸法に比べて
余裕のあるものを選んで製材します。
製材機で挽いていきます。
まずは木の表情を見るために、四方を薄く挽きます。
挽いた面の木の表情や節の出方、虫が入っていないかなどを確認します。
こちらは一見良い古材のように見えましたが、挽いてみると
中にガット虫と呼ばれるカミキリムシが穴を開けていました。
ガット虫は欅が苗木の段階から中に入り込み住み着く虫で
外からは中に虫がいることに気が付きません。
製材してみて初めてわかることはたくさんあります。
四方を製材してみて、床框の化粧面にできる綺麗な面を探します。
指定された寸法を綺麗に取るために、何度も製材しましたが
今回の材は全体に虫が開けた穴が点在しており、使えませんでした。
急遽、同じ古民家から取れた欅の鴨居をもう一丁製材することに。
こちらの材は中が綺麗であることを祈りつつ、製材機にかけていきます。
まずは一面を薄く挽いてみると、綺麗な杢目が現れました。
一点だけひびがありましたが、虫は入っていなさそうです。
白太の部分も製材で落としつつ、赤身の綺麗な部分だけが
残るようにしていきます。
非常に綺麗な欅の古材です。
この後、ほぞ穴やひびの部分、節が出ている部分などを落とし、
指定された寸法が綺麗に取れるように、数cmから数mm単位で挽いていきます。
mm単位で製材した古材の薄片。
cm単位で落とした古材。
今回の材は虫も入っておらず、250年経っていますが
非常に状態も良好でした。
H350×T145×L4400の欅の鴨居から、126角L2800の框材を取るために
何度も何度も製材して木の表情を吟味し、一番綺麗な部分を取り出して
納品します。
元々古材には釘が刺さっていることが多いので、
その釘を探して一本一本抜いていくのにも時間と手間がかかります。
一本の古材を蘇らせるために多くの労力がかかっています。
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