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現場レポート
2022/11/17

移築用古民家解体

秋晴れの続く10月下旬から、長浜市の葭葺き古民家を一棟解体しました。

艶々に磨かれた欅の梁が入った古民家です。

梁が比較的低い位置にあり、天井が高かったため、

昔は毎日梁を磨いていたのだろうと思われる美しい梁組みです。

伝統的な伊香型古民家で、十字梁の長い方は4間分通っていました。

 

合掌の中や天井裏に使われている煤竹を取り外しています。

煤だらけになるのでカッパを着て作業中。

回収時はこのようでも、磨くと美しく光ます。

回収した煤竹は束にして持ち帰ります。

こちらは合掌から取り出した合掌丸太や屋中です。

 

屋根や壁や建具が取り払われ、小屋組のみになった古民家。

天井の板も回収したので梁の上に青空が見えます。

一本ずつ、掛矢やバールを使って仕口を外した部材を

レッカーで吊り上げて運びます。

 

外した部材を並べています。

4間分あるメインの十字梁は、居間の上にあった部分が艶々に磨かれており、

煤のついた部分との違いがよくわかります。

こちらの古民家は面白い部材が沢山使われており、こちらの欅の

柱や梁は、蛤手斧の跡が美しく残っていました。

写真では少し分かりづらいですが、亀の甲羅のように波打つ木肌が素晴らしいです。

束には栗材が使われており、これも湖北の古民家では珍しいです。

ほぞに昔の番付が残っており、この家の歴史を感じさせます。