2020/07/04
移築用古民家仮組み①
ボストンへ移築する予定の古民家は、古材磨きの過程が終わり、
仮組みの過程に入りました。
解体から建て方までを担当される工務店さんの工場内で、
一度解体した古民家の軸組みが復元されます。
まずは工場内で磨いた古材を梁、桁、柱などの種類に
分ていくことから始まります。
その後、番付、図面や解体時の写真を参考に組み上げていきます。
まずは解体の時、一番最後まで残っていた一列の柱と貫を
床で組んでから建ち上げます。
この状態では支えるものがなく、すぐに倒れてしまうため、
解体時は筋交いで支えられていましたが、今回は工場の鉄筋に
ロープで括り付けてバランスを保っています。
木組みは四方からがっちりと組まれている状態でようやく安定するので、
仕口が緩い部分はベルトなどで固定します。
貫を天井クレーンで吊り上げ、
両端を柱のほぞ穴に差し込んで支えます。
ほぞ穴にほぞが差し込まれた部分。
元々は束石の上に柱が乗っているため、柱の高さの調整をします。
足下に薄めの板材を何枚か差し込み、板の枚数を調節して
高さを揃えます。
同じ要領で柱と貫を組み立てていき、高さを調節していきます。
レーザーで水平を測っています。
四方の柱が建つと、全体に少し安定性が出てきます。
次は貫の上に束を置き、更に桁を組んでいきます。
上から見下ろすと、少しづつ元の軸組みが
復元されていくのがわかります。
仮組みは、解体前に打っておいた番付を手がかりに、
図面と部材を確認しながら進めていきます。
図面を確認する大工さんの様子。
ただし実際の木組みは図面よりも複雑なため、
「I2」という記号の打ってある部材だけで何本もあります。
写真に写っている番付は全て「I2」。
このため、解体時の順序や構造をよく覚えていないと
復元は難しいのです。