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現場レポート
2023/12/02

古民家調査

しばらく更新が滞っておりましたが、その間も仕入れから

古材のご提案、加工、移築古民家のご紹介など、

日々コツコツと仕事を進めていました。

 

昨日は福井県まで古民家の調査に行き、

大変古い茅葺の古民家と出会いました。

古民家調査のため北陸へ足を運ぶことは度々あるのですが、

雪の深い地域は瓦屋根に変えている場合が多く

草葺の屋根は中々見つかりませんでした。

そんな中、昨日見た古民家は茅葺屋根が残っており

柱材も煤け具合、ハツリの跡から古さがよくわかるものでした。

こちらの欅の大黒柱は、長年の煤がこびりつき、黒く光って艶ができていました。

恐らく煤けた柱を米糠などで長年磨いてきたのでしょう。

触っても手が汚れることは全く無く、煤は柱の化粧のようになっていました。

以前古井千年家という室町末期築とされる古民家を見学に行った際

柱に煤がついて鉄のように硬質な光を放っていたのを思い出し

この柱からはそれに近いものを感じました。

こちらの栗の柱も、ハツリ跡が古いものであることがわかります。

当店で買付をする古民家は、江戸後期以降のものであることが多いのですが

この民家はそれよりも古く、中々出逢えない江戸中期以前のものであると

推定されます。

こちらの古民家は解体するには勿体無いもので、

活用法を検討していきたいと思います。

 

 

また、先日解体前の民家から古道具などを仕入れに伺ったのは

兵庫県の川西市。

川西は古民家移築の件で過去に何度も訪問していた

島村葭商店にとって思い出深い場所です。

そんな民家から仕入れた一式の中から、面白い品をご紹介します。

こちらは、高級銘木「黒柿」で作られた長火鉢。

天板には黒柿の杢の中でも希少な

「孔雀杢」と呼ばれる美しい杢が出ている部分を使用されています。

目利きの職人さんが木を吟味して作られたことがわかります。

あまり古いものではありませんが、

その分状態がとても良く、不具合なく使っていただけます。

その他にも松のジンの部分を使用した食器棚、

桐の黒箪笥、椅子座で使える欅の大きな長火鉢など

色々なものを仕入れて参りました。

 

その他、古材の納品も頑張っています。

こちらの、太さが一尺以上ある柱や梁は北海道へ、

磨いた合掌丸太20本近くは京都市内へ納品しました

 

また、このような薬箪笥や舟板などもお客様にご紹介しております。

古材のみでなく、古道具などもご紹介可能ですので

在庫状況などお気軽にお問い合わせくださいませ。

 

 

2022/03/26

板材仕入れ

先日の3連休は、愛荘町の旧家の蔵へ、床板材の仕入れに行ってきました。

元々近江商人の邸宅であったというこちらのお屋敷は、

明治以降に再建されていましたが、質の良い木材が沢山使われてありました。

中でも蔵に使われていた床板が、750×1900×厚み30の大きさがあり、

大変杢目も細かく素晴らしいもので、今回の当店の目的はこちらでした。

1階は杉板、2階は松のジンの部分の板で、

どちらも大変目の詰まった重くしっかりした板材でした。

蔵の床板を外している様子。

解体は暗闇での作業です。

こんなに立派な一枚板が床板で使われていることは滅多にありません。

床の間の板としても通用するレベルの板材です。

板を傷つけないように綺麗に取り外していきます。

釘を綺麗に外して板に割れが出ないように作業するのはかなりの手間がかかります。

綺麗な杉の板材。

背後の水屋箪笥に対してもこの迫力です。

埃が被っていますが、近くで見ると大変綺麗な杢目が見えます。

こういった床板が杉14枚、松板のジンで4枚、買取できました。

今度は福井県の大飯町のお屋敷へ床板の仕入れに向かいます。

月に10回ほど現場へ向い、下見から仕入れまでコツコツと進めています。

いくつもの現場の打ち合わせや加工作業、

納品などを同時進行で行なっています。