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現場レポート
2022/04/19

民家サミット2022出店のお知らせ

来たる4月23日、24日に、京都の奥座敷・花背にて開催される

「民家サミット2022」に出店させていただきます。

 

このイベントは古民家や田舎暮らし、持続可能なライフスタイルに関する

生業を営んでいるお店が全国から出店され、さらに民家ツアーや講演会も

楽しめるというもので、当店も大変楽しみにしています。

 

当日は古民具の販売から古民家移築再生のご説明まで、

当店の代表とスタッフ4名でご来場者様と交流させていただきます。

 

ご興味がおありの方は、下記HPをご参照ください。

https://kominkajapan.org/japanese

みなさまと会場でお会いできますことを楽しみにしております。

 

 

2022/04/16

古色塗りの仕事

先日は富山の森田建設株式会社様へ、泊まり込みで古材の色塗りに行って参りました。

予め磨いて納品した約600枚の古板材を、森田建設様で加工していただき、

当店が古色で仕上げるという工程でした。

広い工場に積み重ねられた板材を、スタッフで手分けして一枚一枚塗っていきます。

古色した板材。

まだ乾いていないため色が定着していませんが、乾くと色が安定します。

杢目の浮き立ち方や一枚一枚の色の自然な違いは、古材ならではの味わいです。

古色した板材は、一枚一枚間に割り箸を噛ませて風通しを良くし、

割付どおりに紐で括ります。

約600枚を2日間で仕上げましたが、思い通りの色に仕上がり大満足でした。

こちらは鎌倉の移築古民家の床板になります。

仕上がりが今からとても楽しみです。

鎌倉の古民家はこれで終わりではなく、後1,000枚ほど板材が必要になります。

スタッフ一同、気合を入れ直して進めていきます。

 

 

さて、富山での仕事を終え昨日は草津の方の現場へ。

新規オープンされる中国茶と点心のお店へ、納品した古材の古色仕上げに。

現場で古色仕上げを施す場合には、周りを充分に養生し、

汚さないよう細心の注意を払いながら作業していきます。

掘り炬燵の下に潜って作業している様子。

こちらは古色仕上げしたホダテです。

元々古民家のつし梁として使われていたもので、

はつり跡が古さを証明しており、美しいです。

この辺りの開口部は全て古材で作られており、軽く古色を施しました。

仕上がりを設計士さんに見ていただき、イメージが合えば完了です!

こちらの現場もこれで終わりではなく、大工さんの作業の進み具合に合わせて

もう一度古色塗りに入ります。

大工さんや設計士さんと連携を取りながら、一つ一つの仕事を仕上げていきます。

 

 

 

 

 

 

 

2022/01/25

2022年の仕事始め

大雪のため長めの年末年始のお休みをいただいておりましたが、

1月も終わりに近づき2022年の仕事も徐々に軌道に乗ってきました。

 

本日はD&DEPARTMENT様のご依頼で愛知県へ足場板の納品に行ってきました。

こちらの建物に納品。

作家さんが制作しながら寝泊まりできるレジデンスのような場所にされるそうです。

足場板を磨いて接ぎ加工したものをおよそ30枚納品。

本棚の棚板として導入される予定です。

納品風景。

現場で長さをカットする際、接ぎ加工のビスケットを避けていただくため

ビスケットの位置を養生テープで記しています。

 

また、明日は京都の立ち飲み屋さんの2号店の打ち合わせに

御施主様と設計士さんがいらっしゃる予定です。

本日はその準備にも勤しんでいました。

ご依頼をいただいているのは、水屋箪笥や火鉢、欅の柱に松の梁などです。

ご紹介できそうな水屋箪笥を4点ほど準備しています。

ご依頼の寸法の欅の柱と松の梁を3点ずつ用意し、選んでいただけるようにしています。

 

また、昨年古材を納品させていただいた長浜黒壁の店舗「湖のスコーレ」様にお邪魔してきました。

店内には滋賀産の発酵食品と、全国から選りすぐられた質の高い雑貨たちが並んでいます。

店名の「スコーレ」は、school(学校)の語源となったギリシャ語だそうで、

「昔の木造の学校のようなイメージで」と設計士さんから伺っていたとおり、

洗練されつつもどこか懐かしく親しみやすい学校のような空間になっていました。

こちらの商品棚の棚板は杉の古材をうずくりにしたものです。

欅の腰板も雑貨の背景として上手く馴染んでいます。

カフェ空間に敷き詰められた古材赤松のフローリング。

全て長浜の古民家から出てきた古材を加工して再利用しています。

とても素敵なお店に古材を使っていただき、改めて光栄に思いました。

 

 

 

 

 

 

 

2021/12/28

2021年最後の仕事

年内最後の仕事は、ベルギーへの古材発送です。

一年かけて集めた床の間の地板15枚と、お寺の雨戸8枚の計23枚を、

美術品の運送業者さんが取りに来てくださいます。

一年かけて集めた主に欅の地板。

(松のジンの部分を使った地板などもあります。)

年代は明治〜昭和初期まで様々です。

すべてに管理番号のシールを貼っています。

当店スタッフが欅の地板を運んでいる様子。

運送業者さんが綺麗に高さ順に並べて積み込んでくださっています。

今回発送分の中でも特に魅力的なのがこちらのお寺で180年ほど使われていた雨戸です。

杉の目が細かく、180年雨風に晒されてきた風格があります。

お花の背景としても。

これらの古材を運送業者さんが綺麗に梱包してコンテナに積み込んで

ベルギーまで海上輸送してくださいます。

これで今年の仕事も無事終わり、来年は滋賀県の中国茶と点心のお店の内装のお仕事から始まりそうです。

来年も頑張りますので島村葭商店をご愛顧のほどどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

2021/12/11

長浜の現場と高月のお茶室

長浜の現場での当店の仕事も漸く最終工程に入りました。

こちらの現場は「長浜で長年使われてきた古材を

もう一度同じ長浜の地で蘇らせ使用する」

というテーマで古材をお使いいただいています。

製材や磨き仕上げを行なっており表面は新材のように見えますが、

実は材自体が非常にサステナブルな意味を持っています。

 

さて、長浜の古い鴨居材を製材して作った松板は、

納品後素晴らしいフローリングになっていました。

こちらが納品前の松板材です。

こちらを現場の大工さんに張っていただき、

このようなフローリング空間に仕上がりました。

古材を無駄にしないよう使える部分は全て使用したので

幅も長さもまちまちの板材でしたが、綺麗に敷き詰めていただきました。

 

また、杉の棚板は浮造り状にするためにホイルサンダーで磨き上げ、

木工作家さんに接ぎ加工をお願いしてから塗装仕上げしました。

古い板材の良い部分だけを使用しているため、非常に目の細かい棚板ができました。

木工作家さんの上手な加工のお陰で、

接いであることがわからず一枚板のようです。

色のつかない保護用の塗料で塗装しています。

柱の周りを四方から囲むかたちで棚板を留めるため、

このような形になっています。

 

この棚板を現場にて設置しました。

ダボとダボ穴にボンドを塗っています。

まずはL字に接ぎ合わせ。

その後柱に四方から囲む形で設置します。

ハンマーで軽く叩いて接ぎ合わせ部分を固定。

さて、ここでPPロープを取り出し、棚板の周りを囲んでいきます。

結束バンドでギューっと力を入れて固定します。

これで四方から圧力がかかり、板同士がしっかり接着されます。

角の部分に木を挟み込み、ロープをさらにきつくします。

接合部のはみ出してしまったボンドを拭き取っています。

接ぎ合わせ部分。

この後、2時間固定したまま放置して接着剤を乾かします。

この工程を3柱分繰り返します。

2時間後、しっかり板同士が固定されたらPPロープを取り、

仕上げに角をペーパーでなめらかにします。

出来上がりです。

こちらは商品棚になるそうです。

 

最初に納品させていただいた欅の赤身腰板も綺麗に貼られており感動しました。

約40㎡の腰板を作るのに、鴨居や柱を何十本も加工し、大変でしたが

仕上がりを見るとやりがいがあったと感じられます。

 

さて、こちらは欅のカウンター板です。

欅の鴨居を厚めに製材し、2枚接ぎの板にしました。

2枚で接いでいますが共木なので杢目が合っています。

現場で設置していただき、このようなカウンターに仕上がりました。

 

これでこちらの現場での当店の仕事は終わりですが、

オープン後、どのような空間が出来上がっているのかとても楽しみです。

 

 

また、同じく長浜市で古材を使用したお茶室を建てられている現場へ

色合わせに行ってきました。

こちらのお茶室は、愛着のある古民家を解体する際に、

部材を残して敷地内にその材を使用した思い出の詰まった空間が欲しい

というご要望で建てられています。

玄関土間の上に飛んでいる十字梁は、

元々同じ古民家内でも別の空間に使われていたため

経年変化の色合いが違っています。

統一感を出すべく古色で合わせていきます。

脚立に乗って古材を古色で仕上げていきます。

このように、元々同じ場所で経年変化してきたかのような

統一感のある十字梁に仕上がりました。

当店の古色仕上げは、「塗装」というよりも

「吹き込んで染め上げる」ような方法で着色しています。

亜麻仁油、弁柄、松煙という自然の塗料を使い、

木材の表面に布で吹き込んで染めていきます。

この方法は「塗る」よりも杢目や古材の表情がしっかりと残り、

木材が本来持っている味を活かすような技法です。

 

今年の仕事も漸く落ち着いてきて、来年に向けて鋭気を養う期間を取れそうです。

長いレポートにお付き合いいただき有り難うございました。