2021/11/27
移築用古民家の軸組解体が終了しましたので
解体の様子をレポートします!
まずは合掌造りからです。
壁や葭や煤竹を取り払ってしまうとそれによって繋がり支えられていた部分が
何かの拍子で崩れてしまうことがありますので
危うい部分は筋交で留めてからの作業になります。
合掌丸太がつし梁から落ちそうになっていた部分があり、
そのまま解体してしまうと危ないので筋交で留め、
構造が崩れてしまうのを防ぎながら慎重に解体していきます。
古民家は部材同士を四方から留めるバランスで建ち上がっているので
少しでもバランスを崩すと一気に倒れてしまう危険性があります。
そのため構造をしっかりと見極めながら、
どこから仕口を外していくべきか判断し、
一つ一つ慎重に外していきます。
バランスが危うい部分は予め筋交で留め、安定性を保っています。
手で外した部材を重機で持ち上げている様子。
梁は1本数十キロから数百キロの重さがありますので、
重機で支えながらでないと折れてしまったりします。
下に落ちてしまうとそれこそ大惨事です。
仕口が外れる瞬間の動画がありますのでご覧ください。
上の梁から順番に外していき、今度は端の柱から順番に解体していきます。
大分綺麗になってきました。
最後に鴨居や貫で支えられた2対の柱達と、それを繋ぐ梁が残ってきました。
梁を外し、残った2対の鴨居と貫で繋がった柱達は、
紐で引っ張ってバランスを取りながら人力でゆっくりと地面に倒します。
もう一方も紐で引っ張りながらゆっくりと倒しています。
倒した後に地面の上で仕口を外して部材を解体していけば、
心許ない部材のバランスを気にしなくて済むというわけです。
部材をすべて回収し、後は整地をすれば解体終了です。
2021/11/06
引き続き、祇園や長浜の現場で使う部材の寸法や仕上がりについて、
設計士さんや工務店さんと打ち合わせを重ねながら進めています。
こちらは祇園のテナントの作り付け什器部分の打ち合わせ。
柱は栗、欄間は千本格子(こちらはイメージ用のもので実際はもっと繊細で幅の長いものを使われる予定です)、欄間廻りは欅の鴨居、ハンガーをかける吊り下げ棒は栗の丸格子を利用。棚板になる板材とその框も栗材です。
設計士さんにご提案するために一度材を組んでみてイメージを作りやすくしています。
欄間は実際にはもっと繊細なものを導入される予定。
栗の柱、欅の廻り縁、栗の吊り下げ棒などの相性を見ています。
棚板になる予定の栗板材。こちらは磨き前です。柱は足元が傷んでいるため、この部分は使いません。
図面の寸法と照らし合わせながら、高さが足りるかなど話し合い、打ち合わせを進めます。
この他、床廻りなどに使う部材もご提案して決めていきました。
こちらは長浜の現場で使われる予定の杉板材です。
古材の表面にプレナーをかけてから、ホイルサンダーで軽く浮造り状にしています。
写真ではわかりにくいですが、夏目が削れて冬目が浮き立っています。
こういった板を約60枚作り、仕上げに古色塗りをしていきます。
こちらは古色のサンプルです。
設計士さんと仕上げの色を相談するために、4種類作成しました。
右から亜麻仁油のみのもの、薄めの古色のもの、少し濃いめの古色のもの、弁柄を多めに配合し少しのっぺりした仕上がりにしたもの
です。
お店のイメージに合わせて古色の配合を変え、ご提案することが可能です。
移築用解体の現場も進んでいます。
屋根の煤竹と葭がすっかり下ろされ、ほぼ軸組だけの状態になりました。
つし梁に乗っている合掌丸太。
下ろした煤竹。
軸組の構造がよくわかります。
これから番付け打ちが始まり、その後解体となります。
毎日慌ただしく動いていますが、その都度レポートしていきますので
宜しくお願い致します。