2026/01/14
更新が滞り気味ですが、日々精進いたしますので、
2026年も島村葭商店をどうぞよろしくお願いいたします。
さて、昨年の仕事を振り返ると、京都の町家改修のお仕事を多くいただきました。
特に昨年は古建具のご要望が多く、蔵戸や玄関戸、一枚板の板戸など
様々な建具を京町家でご活用いただきました。
中でも赤熊宏紀建築設計事務所様は、初めて古材のご相談をいただいたのですが
お施主様と共に長時間、丁寧に古材を吟味してくださり
町家の中に当店の古材をふんだんに導入してくださいました。

こちらは総欅の玄関戸。
福井県鯖江市の古民家で長年使われてきたものです。
やはり総欅ですので風格があり、傷みも無く、経年変化により味わい深くなっています。
家の顔とも言える玄関に相応しい建具です。


また、縁側と和室を隔てる建具には、滋賀県長浜市の料理旅館で使用されていた
組子デザインの美しい雪見障子戸を導入していただきました。

庭をのぞむ縁側の床板には、福井県おおい町の
昭和初期に建てられた民家の欅の縁側板を。
雪見障子を上げると、庭から差し込む光が和室に柔らかく入り込む様が見受けられます。


陰影が美しいです。
縁側へ続く仕切りの建具は、屋久杉の一枚板。
兵庫県川西市の建具職人のお住まいからお譲りいただいたもので
引き手が舟形になっており建具職人のこだわりを感じられます。


また、古材梁も数本入れていただきました。
こちらの写真は元々は腕木として使われていたもので、
独特のカーブがデザイン的に使用されています。
よく見ると細かなはつり跡が満遍なく見受けられ、
先人の手仕事の跡を楽しむことができます。


濡れ縁にお使いいただいたのは、石川県の古刹の濡れ縁の板です。
こちらは尾州檜という神社仏閣などに使用される高級檜材で
長い年月を経ても堅牢で上品かつ味わい深い表情をしています。

和室から濡れ縁を経てのぞむ庭。
灯篭の形にお施主様の美意識へのこだわりを感じます。

炉を石で切っているのが斬新で格好よく驚きました。
床の間も石という斬新さでありつつも見事に洗練された空間。
こちらの改修では、赤熊宏紀建築設計事務所様、
ランドスケープの会社を経営されているお施主様の七月合作社様、
暑い中、納品時に大変お世話になった大工職人のKOUEI様
により古材を鮮やかに蘇らせていただきました。
古いものを使いつつも新しい感性によって明るく上品な空間が作られており、
洗練された美意識に大変刺激を受け、勉強になりました。
引き続き皆様からの古材のご相談をお待ちしております。
2025/09/20


大阪のレストランの改修のご相談をいただいております。
当店の床板や箪笥などを多数使用していただくのですが、
床板はお施主様のご希望で暗めの色に仕上げたいとのこと。
この日は大阪から足を運んでいただき、お施主様自ら床板7坪分に古色を施されました。
当店スタッフがお施主様の好みの色合いに古色を調合し、
塗り方の参考をお見せしてから実際に塗っていただきます。
自ら着色した床板が店舗に入ると、愛着も一入になることと思われます。
完成が楽しみです。



また、長浜市の隠れ里とも言えるような山深い集落で、移築用古民家の解体が始まりました。
こちらの古民家は代々山を所有してきた家系で、良い木材を選抜して使用されていました。
また、家への愛着を深く持たれていたようで、住まわれなくなってからも
不具合があれば修理し、こまめに風を通していらっしゃったので、
大変綺麗に部材が残っていました。
いよいよ来週から職人さんが手解体に入られます。
思いの詰まった古民家が綺麗に解体されていく様は、何度見ても感動します。
2025/05/26
先日、高島市の新築住宅へ水屋箪笥を納品させていただきました。
大きく重々しい印象から、中々現代の住宅には導入しづらい水屋箪笥ですが、
こちらのお宅は上下の水屋を分解して横に並べ、上に欅の天板を通すことで
水平的な印象にし、圧迫感をなくしてスタイリッシュにお使いいただくことができました。
こちらの水屋箪笥は、総欅、引き戸に煤竹を使用、
木瓜型の引き手、引き出しの前板に玉杢が出ているなど
非常に質の高い素材と造りでしたが、
年月を経て煤に染まり、色もくすんできていました。
こちらが元々の水屋箪笥を上下に分解して置いた状態です。

Beforeの写真。
この水屋を丁寧に磨きあげ、本来の色に近くなるように
ベンガラなどを使って塗装し、仕上げます。
中の棚板の修理なども行い、このように新築に綺麗に納まりました。


Afterの写真。
昨年製材した欅の天板は、お施主様と相談して水屋箪笥よりも
少し落ち着いた色に仕上げました。
このように水屋箪笥が生まれ変わる過程をご紹介します。

背板、中板は建具屋さんに修理していただき、
食器などを閉まっても心配のない綺麗なものになりました。

天板も最初は煤だらけでしたが、サンドペーパーで磨きをかけて綺麗になりました。

欅の鴨居を製材した板は、木工作家さんに槍鉋風の仕上げを
施していただき、光の加減で波打つ美麗な仕上がりになりました。
こちらに自然塗料を調合した着色をし、水屋箪笥の上に設置して完成です。


新築に納める時はいつもどきどきしますが、
綺麗に納まるといつもほっとすると同時に感動します。

お施主様にも気に入っていただけて、安心しました。
このように、古い物でも加工して現代的に甦らせることができますので
色々とご相談いただけますと幸いです。
2025/03/15
しばらくブログをお休みしていましたが
古民家の移築解体や外国への古材の輸送など、
日々慌ただしく仕事をさせていただいていました。
さて、先日は解体される長浜の民家へ仕入れに。
こちらの蔵は栗の綺麗な板を使われており
傷をつけないように一枚一枚剥がして保管します。



経年変化した栗の板は大変人気が高く、今回の板は特に珍しいほど幅広で
とても良い仕入れができました。
また、床周りにも欅の立派な板が使われているのでこちらも綺麗に取り外します。


慎重に外している様子。

筬欄間も格子が非常に細かく綺麗なもので、
持ち帰る際に壊れない様に梱包しています。
毎月色々仕入れていますので、またこちらで商品紹介をいたします。
2024/05/04
皆様GWはいかがお過ごしでしょうか。
島村葭商店では、GWは天気が良く仕事日和ですので
古材の整理をしております。

さて、先日は家具の天板用の欅材を製材しました。
こちらが製材前の古材鴨居です。
今回必要な寸法は約600×5400×T25ほど。
一枚の古材から作ることはとても難しいので
360×2900×T120ほどの鴨居を2本と、予備に1本用意し
綺麗な杢目が出た部分で接ぎ加工して制作します。

製材してみないと中身がどうなっているかわからないので
鋸を入れる時はいつもドキドキで見守ります。

非常に綺麗な赤みの細かい杢目が出てきて感動です。

使用する薄さまで製材します。
この時も白太が出てしまわないかドキドキしています。

製材の醍醐味は、必要寸法を考慮してどこをカットし
どの杢目を活かすかの見極めです。

白太やほぞ穴を避けつつ一番美しい杢目が主役になるように
今ある材料から検討してカットしていきます。

製材した板をこの後木工作家さんに接ぎ加工、
槍鉋風仕上げしていただき
家具の上に乗せる予定です。
古材を製材すると経年変化の面を削ることになるため
味わいは減りますが、昔の材は今よりもずっと
ゆっくりと良い環境の中で育っているため
今では中々お目にかかることのできない赤みの美しい杢目が出ます。
また、地域で育った木を地域で使い、地域で回収して再生しているので
循環可能なかたちと言えます。