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現場レポート
2021/03/05

古道具の修理や古建具の撮影

先日は明治頃から使われていた欅の箱階段を

修理・納品しました。

納品先は滋賀県内の個人宅で、箱階段の状態を

お客様に確認していただきながら、費用面とともに

修理を希望される箇所を相談させていただきました。

上段は特に修理箇所無し。

下段は中板と底板を別の状態の良い古板材に変更し、

外れていた取手を修理しました。

修理後も元の雰囲気を損ねないように心がけながら

補修用の古材選びをしています。

古いものは味わいがあるという良い面と、破損などで

使いにくいという悪い面を併せ持っていますが、

当店ではできる限り修理しながら長く使っていくという

日本人が昔から持っていた精神を重視しています。

 

 

また、現在当店に在庫が2000枚ほどある古建具のうち

1000枚ほどを一挙公開すべく、ネットショップを作成しています。

パソコン、一眼レフカメラなどを用いて撮影中。

撮影前に入念に建具の状態確認を行い、破損や不具合がある箇所は

全てメモしています。

こちらも箱階段同様、古いものを手入れをしながら長く使っていただくために

修理のご要望も承る予定です。

こちらは2021年5月頃公開予定ですので、どうぞお楽しみに。

 

 

最後に先日琵琶湖沿いの料亭に納品した欅の板材に

プレナーがかけられた様子を撮影しました。

古材は寸法や状態が均一ではないため、同じ寸法で状態も良好なものを

揃えるのには、実際使われるよりも多くの古材が必要になります。

その中から状態の良い部分のみを切り取って使っていきます。

製材し、プレナーをかけてもやはり新材とは違う杢目や色合いです。

仕上げに油拭きを施すと、目を見張る美しさに。

現場に納まるのが楽しみです。

 

2021/02/03

日々の仕事

琵琶湖を臨む老舗料亭の濡れ縁にお使いいただくため、

欅の鴨居を製材しています。

虫喰いなどの無い綺麗な杢目の欅材です。

今回は厚み120mmで長さが2400mm以上ある鴨居を16本も製材して、

厚さ30mm、長さ2000mmの板材を30枚取り出しました。

今から指定された長さに切断し、納品です。

 

また、先日は移築用古民家の古材の色合わせに富山へ出張しました。

鎌倉へ移築する古材を、松煙、紅殻、亜麻仁油の配合でどのような色に仕上げるかを打ち合わせしています。

紅殻が残っている古材には少し暗めの古色を作り、他の古材と色を合わせます。

島村葭商店の移築用古材は、建てた時に全ての材が調和するよう、調整しながら古色仕上げしていきます。

 

さらに別の現場に納品するための欅の柱材の磨き作業などもしています。

仕上げの油拭きで古材が杢目と艶の美しい柱に生まれ変わりました。

磨き仕上げた部分と磨いていない部分で比べると、その差は歴然です。

仕入れも継続的に行っていますので、商品入荷情報も改めて更新していきます。

在庫は豊富にございますので、古材についてのお問い合わせはお気軽にご連絡ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021/01/11

明けましておめでとう御座います

怒涛の2020年もいつの間にか終わってしまい、気がつけば2021年に突入しておりました。

関西では未だ松の内ですが、関東では新年の挨拶もそろそろ時季外れのようですね。

島村葭商店の2021年の仕事は鎌倉移築用古民家の古材磨き作業から始まりました。

柱など残り数十本、長かった古材磨きもラストスパートです。

12月初旬からおよそ1ヶ月かけて漸く全ての材が磨き上がりました。

 

並行して京都に新規オープン予定の立ち飲み屋さんへ古建具や古材十数点の納品準備も進めています。

中でもこちらの桜の木の皮を網代編みにした衝立。

希少なもので大切にしていましたが、遂にお嫁に行くことに‥‥。

 

そしてボストンへの古民家移築プロジェクトも引き続き進んでおります。

移築後の図面は当初のものより一回り大きく設計されたため、増築用の追加材として当店の在庫古材を納品しました。

下屋の桁材や柱材、鴨居等々、計50本ほどが新たに使用され、仮組みも一回り大きくなりました。

今年も引き続き沢山の方と関わり合いながら日本の住文化を残し、伝えていくお仕事をしていけますよう、どうぞ島村葭商店を宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

2020/11/22

蘇る障子戸、ガラス戸、煤竹

先日、木村全伸工務店様にご購入いただいた古建具と煤竹が、新築に見事に導入されていました。

写真真ん中の、4枚引きの雪見障子戸は昭和初期の滋賀県の古民家で使われていたものです。

幅狭のスタイリッシュな障子戸が、洗練された空間によく調和しています。

煤竹は天井の竿縁として、アクセントに。

 

桟のデザインがお洒落な2枚引きのガラス戸は、古いものでありながら、現代の洋風な空間に絶妙に合っています。

玄関から見たガラス戸。

真ん中は透明なガラスで、周りにダイヤガラスが使用されている昭和初期のものです。

 

古材や古建具が素晴らしい空間に活かされているのを見ると、

とても勉強になります。

 

2020/11/06

ベルギーへ古材発送

本日はベルギーへの古材発送作業を行いました。

実に地板16枚、舟板11枚、雨戸16枚もの古材を専門の業者が取りに来られ、丁寧に積み込んでくれました。

倉庫から舟板を運び出す様子。

琵琶湖の底に沈んでいた120年前の舟板は、扱いが難しいため、

割れたり欠けたりしないように慎重に運んでいきます。

業者さんが予め舟板のサイズに合わせた箱を用意されていて、

一枚一枚クッション材を敷きながら丁寧に梱包していきます。

4m以上ある欅の地板も舟板の箱に詰め込みます。

今回は5.5mの長さの舟板があるので、空輸ではなく船便でベルギーまで運ばれていきます。

荷台の壁面に雨戸と地板を綺麗に整列させ、クッション材とベルトでがっちり固定します。

壁面にベルトの固定場所がずらっと並んでいます。

舟板の箱も全て詰め込み、無事当店を出発しました。

これから古材は美術品専門の運送業者にコンテナへ積まれ、海を渡ります。

ベルギーの建築家さんの元へ届くのが楽しみです。