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現場レポート
2021/09/18

古建具の寸法直し、古色仕上げ

最近は古建具のご依頼を沢山いただいております。

寸法、建具の種類(ガラス戸、板戸、障子戸など)、

テイストや設置する場所などお客様のご要望を伺いながら

当店の在庫の中から一緒に探していきます。

 

当然ながらデザインや寸法がご希望にぴったりと合うものを

探すのは難しく、昔の建具は大抵高さが1720〜1750ほどなので

現代の建物に入れるにはほぼ全て高さ調整が必要になります。

こちらは下駄を履かせ、上桟の高さを増やし、上下で

バランス良く高さをお客様のご希望に合わせました。

高さ調節は新材で施されるため、

経年変化した古建具の木材の色とは合いません。

そこで、古色仕上げで全体の色を合わせます。

全体が調和し、綺麗に蘇りました。

 

こちらのガラス戸も幅、高さの調整を施しています。

上部の空間には、古色塗り後新しいガラスを嵌め込みます。

ガラスは新しいものを嵌め込むこともできますし、

古いガラスをカットして嵌め込むことも可能です。

結晶ガラスやゆらゆらガラスなど、現在では

生産されていない古ガラスの良さを味わいたい方は

古ガラスを嵌め込むことをお勧めします。

古色塗りを施しました。

上部にガラスを嵌め込んで完成です。

 

今回は2枚の例を挙げましたが、寸法調整や戸車の取り替えなど

古建具を直して使っていただくご依頼が50枚分ほど入っており、

打ち合わせを進めております。

 

その他動いている現場につきましても、またレポートしていきます。

 

 

2021/05/11

古建具のネットショップを開設しました

コロナ禍でご来店が難しいというお客様にも商品をご覧いただけるよう、ネットショップを開設しました。
まずは在庫約1000枚に及ぶ古建具の中から、700枚ほどを一挙公開いたします。
古建具を探しておられる方は、是非ご覧ください。
商品に関するお問い合わせ、修理のご相談などはお問い合わせフォームからご連絡ください。
掲載中の建具は全て一枚からご購入いただけます。
2021/04/17

古民家調査

解体前の古民家の調査も島村葭商店の仕事の一つです。

現在は月に2〜4棟の解体予定の古民家を調査に行っています。

古い葭葺き古民家は、小屋組の状態を特によく確認します。

 

屋根裏に入って梁の状態を確認する様子。

 

小屋組の状態がよく、構造が移築再生に向いている古民家は

移築用として簡単な図面を描いたり全て手解体した場合の

見積りを出すなどして、古民家が欲しい方へ紹介します。

 

葭葺き屋根の葭が落ちてしまって

小屋組に雨が滴っている状態が長く続くと、

梁にカビが生えていたり虫が沢山入っていることが多くあります。

構造材の状態が悪いと移築再生を諦めて

良い部材だけを買い取る提案をすることもあります。

 

古民家のみでなく、古い建物の解体の話があると

部材を調査しに向かいます。

こちらは明治初期建設の芝居小屋。

11mの欅の梁が入っています。

重量にして4tほどはあると見込まれるこちらの梁は、

綺麗に外して運ぶだけでもかなりしっかりした重機が必要になります。

再び活かすことができそうな材は当店で

保管し、次の担い手を探します。

このようにして古材、古民家の調査を行っています。

2021/04/09

島村葭商店・喫茶古良慕ご紹介動画

当店をご紹介いただいた動画がyoutubeにアップされています。

外国の方にもわかりやすくご覧いただけるよう、英語の字幕もつけてくださっています。

第1回目は喫茶と古道具、古建具の部門です。

第2回は古民家移築再生について取材していただいたものがアップされる予定です。

とてもわかりやすく、楽しい動画に編集していただいたので、是非ご覧になってください。

 

 

2021/03/16

煤竹のこと

お客様が煤竹を見に来られるとのことで、準備をしています。

180年の年月を経て、青竹から煤竹と
名前が変わります。
人工的に染められた竹は染め竹と言い、
ここまでのなんとも言えない奥深い色は出ません。
永い歳月を経て、身震いする程飴色に
輝きを放つ竹を本煤竹と呼びます。
写真の様な太さが60Φを超える物で
割れが無く、色が綺麗に出ている物は大変貴重です。
本煤竹は、葭葺き屋根の葭を支える為の構造材で、
昔は身近に有る青竹や細い雑木を使って、
一本一本藁縄で編んで留めています。
それが、永い歳月の中、囲炉裏やおくどさんで
火を使った煙が上へと上がり、害虫の駆除ができるとともに
青竹に煤がこべりつき、その煤を綺麗に
落としてあげ、仕上げに一仕事すると、この様になります。