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現場レポート
2021/02/03

日々の仕事

琵琶湖を臨む老舗料亭の濡れ縁にお使いいただくため、

欅の鴨居を製材しています。

虫喰いなどの無い綺麗な杢目の欅材です。

今回は厚み120mmで長さが2400mm以上ある鴨居を16本も製材して、

厚さ30mm、長さ2000mmの板材を30枚取り出しました。

今から指定された長さに切断し、納品です。

 

また、先日は移築用古民家の古材の色合わせに富山へ出張しました。

鎌倉へ移築する古材を、松煙、紅殻、亜麻仁油の配合でどのような色に仕上げるかを打ち合わせしています。

紅殻が残っている古材には少し暗めの古色を作り、他の古材と色を合わせます。

島村葭商店の移築用古材は、建てた時に全ての材が調和するよう、調整しながら古色仕上げしていきます。

 

さらに別の現場に納品するための欅の柱材の磨き作業などもしています。

仕上げの油拭きで古材が杢目と艶の美しい柱に生まれ変わりました。

磨き仕上げた部分と磨いていない部分で比べると、その差は歴然です。

仕入れも継続的に行っていますので、商品入荷情報も改めて更新していきます。

在庫は豊富にございますので、古材についてのお問い合わせはお気軽にご連絡ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021/01/11

明けましておめでとう御座います

怒涛の2020年もいつの間にか終わってしまい、気がつけば2021年に突入しておりました。

関西では未だ松の内ですが、関東では新年の挨拶もそろそろ時季外れのようですね。

島村葭商店の2021年の仕事は鎌倉移築用古民家の古材磨き作業から始まりました。

柱など残り数十本、長かった古材磨きもラストスパートです。

12月初旬からおよそ1ヶ月かけて漸く全ての材が磨き上がりました。

 

並行して京都に新規オープン予定の立ち飲み屋さんへ古建具や古材十数点の納品準備も進めています。

中でもこちらの桜の木の皮を網代編みにした衝立。

希少なもので大切にしていましたが、遂にお嫁に行くことに‥‥。

 

そしてボストンへの古民家移築プロジェクトも引き続き進んでおります。

移築後の図面は当初のものより一回り大きく設計されたため、増築用の追加材として当店の在庫古材を納品しました。

下屋の桁材や柱材、鴨居等々、計50本ほどが新たに使用され、仮組みも一回り大きくなりました。

今年も引き続き沢山の方と関わり合いながら日本の住文化を残し、伝えていくお仕事をしていけますよう、どうぞ島村葭商店を宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

2020/12/02

鎌倉古民家移築再生プロジェクト

本日より、鎌倉に移築予定の古民家の軸組解体が始まりました。

島村葭商店では既に取り外した鴨居や床周りなど、細かな造作材の磨きや梱包から始めています。

部材は釘が刺さっているものは抜き、磨いた後に亜麻仁油で仕上げて、艶々の綺麗な状態に。

磨いた後は、一つ一つの部材を梱包します。

梱包した材は、どこの部材かをわかるようにして倉庫に並べています。

これから軸組が解体されると、本格的に梁や柱の磨き作業が始まります。

 

 

 

2020/08/28

移築用古民家仮組み②

少し更新が滞っていましたが、前回に引き続き

古民家の仮組みレポートです。

古民家の仮組みは、どの部材がどこにあったかを忠実に再現する必要があるため

解体前の図面を何度も確認しながら進めていきます。

図面を見ながら相談する大工さん達の様子。

 

長い桁材が束に嵌っていくいく過程は、とても気持ちがよく見応えがあります。

ほぞ穴の中を掃除しながら上手く嵌る様に調整しています。

 

軒の部分の柱や桁は、細い杉材で軽いため、

床で組んでからクレーンで一気に建ち上げます。

建ち上がってからは四方に支える材がないため、

倉庫に備え付けられている板と繋いで留めます。

 

大体の柱が建ち上がると、今度は梁を乗せていきます。

梁が組まれると、木造建築の軸組が一気に見えてくるようです。

一梁一梁、クレーンで持ち上げて仕口を接合していきます。

多少曲がっている木でも、順応した構造で

自然の曲がりを活かして使用されます。

 

大体の梁が組み上がったところで上から見下ろしてみると、

この古民家の持つ曲がり梁の面白さが一層感じられます。

このような自然の曲線が多用された建築は

現代では中々見られることはないでしょうか。

13mに渡る桁材も圧巻の迫力です。

 

こちらの古民家は二重梁の構造になっており

小屋梁の上に束を立てて、更に梁を乗せます。

よりしっかりとした印象になります。

上から見下ろすとこのような感じです。

 

およそ解体時と同じ、3日半をかけて仮組みが建ち上がりました。

今度は設計士さんと御施主様が実際に仮組みの中で打ち合わせをしながら

どのように生まれ変わらせるかを相談していきます。

 

仮組みはしばらくの間建ったままになっていますので

ご見学を希望される方は下記のメールアドレスもしくは

お電話番号までご連絡ください。

info@sm-kozai.jp

090-4286-7784

 

 

 

 

 

2020/07/04

移築用古民家仮組み①

ボストンへ移築する予定の古民家は、古材磨きの過程が終わり、

仮組みの過程に入りました。

解体から建て方までを担当される工務店さんの工場内で、

一度解体した古民家の軸組みが復元されます。

 

まずは工場内で磨いた古材を梁、桁、柱などの種類に

分ていくことから始まります。

その後、番付、図面や解体時の写真を参考に組み上げていきます。

 

まずは解体の時、一番最後まで残っていた一列の柱と貫を

床で組んでから建ち上げます。

この状態では支えるものがなく、すぐに倒れてしまうため、

解体時は筋交いで支えられていましたが、今回は工場の鉄筋に

ロープで括り付けてバランスを保っています。

木組みは四方からがっちりと組まれている状態でようやく安定するので、

仕口が緩い部分はベルトなどで固定します。

貫を天井クレーンで吊り上げ、

両端を柱のほぞ穴に差し込んで支えます。

ほぞ穴にほぞが差し込まれた部分。

元々は束石の上に柱が乗っているため、柱の高さの調整をします。

足下に薄めの板材を何枚か差し込み、板の枚数を調節して

高さを揃えます。

 

 

同じ要領で柱と貫を組み立てていき、高さを調節していきます。

レーザーで水平を測っています。

四方の柱が建つと、全体に少し安定性が出てきます。

 

次は貫の上に束を置き、更に桁を組んでいきます。

上から見下ろすと、少しづつ元の軸組みが

復元されていくのがわかります。

仮組みは、解体前に打っておいた番付を手がかりに、

図面と部材を確認しながら進めていきます。

図面を確認する大工さんの様子。

ただし実際の木組みは図面よりも複雑なため、

「I2」という記号の打ってある部材だけで何本もあります。

写真に写っている番付は全て「I2」。

このため、解体時の順序や構造をよく覚えていないと

復元は難しいのです。