2023/05/23
先日は、4tトラックにいっぱいの古材を
ベルギーに向けて当店から送り出しました。
一昨年からコツコツ仕入れては保管していた大量の古材が
手元を離れていくのは感慨深いものがあります。
板材や雨戸など約500枚近くをパレットに乗せて
トラックに積み込みます。
長さ5.5mあるお寺の床板材は、
4tトラックにギリギリ収まりました。
トラックを見送ると、今度はスイスへの古材発送の
梱包作業があります。
こういった仕事をしていると、
日本の住文化が世界に誇れるものであることを改めて実感します。
2023/04/23
先月スイスからのお客様がご来店になり、
一日かけて古材をご覧いただきました。
その中からお選びいただいた欄間や古いお寺の彫刻、
床廻りなど十数点をスイスへ発送準備しています。
立体感のある高度な彫刻技術の欄間。
四君子と松竹梅がテーマになっています。
発送前に綿棒で細かなところまで磨き、綺麗にします。
古いお寺の彫刻。
床の間関係の造作材や、お茶室の化粧窓なども
これから綺麗に磨き上げていきます。
古い民家で使われてきたものだからこそ、
綺麗にして新しい場所へ送り出します。
外国の地で新たな建物に取り込まれることを
とても有り難く思います。
2023/04/17
コロナ禍で停滞していたアメリカへの古民家移築プロジェクトが再開し、
当店もにわかに忙しくなってきました。
工務店さんで仮組みされていた古材は解体され、
古材輸送までにすべて古色仕上げを施します。
梁組みの古色仕上げ。
葭葺き古民家の梁や桁はよく燻されているため、
亜麻仁油のみで深い色が蘇ります。
梁や桁を古色している様子。
樹種により古色した際の色の出方が違うので、松、杉、檜など
それぞれに古色の色ベースを作ります。
また、樹種のみでなく、赤みの強い材、黄みの強い材、
材の乾き具合などで色の出方が変わるため
材に合わせて少しづつ配合を変えていきます。
よく乾いた木は亜麻仁油の吸い込みが良く、濃い色が出ます。
柱や鴨居など比較的寸法が小さい材は
倉庫の中で古色作業を進めていきます。
2023/03/21
先日は滋賀県内の立礼茶室にて、お茶会にお招きいただきました。
お茶を点ててくださったのは茶人の中山福太朗様。
こちらのお茶室の設計にも携わられました。
ひとつひとつの動きが、どこを撮っても美しいです。
こちらのお茶室は御施主様の意向により、長年過ごされた古民家を解体する際に、
材の一部を思い出として残してその材料を使い建てられたものです。
当店も製材や古色合わせなどで微力ながら関わらせていただきました。
施工は数寄屋建築の工務店、木村全伸工務店様。
古材を新築のお茶室に見事に組み込んでいらっしゃいます。
天井板にも古民家にて長年磨かれてきた深い艶があります。
床の間のしつらえと障子から入る自然光の神秘的な柔らかさ。
煤竹は古民家の階段の手摺に使用されていたものだそうです。
隅々まで丁寧に作り込まれた美しいお茶室に感動し、
贅沢な時間を過ごさせていただきました。
2023/01/28
日本各地が10年に一度と言われる寒波で大変なことになっていますが
当店の所在する滋賀県高島市にも雪が降り積もっています。
そんな中、冬仕事として1000本の煤竹をコツコツと磨き仕上げています。
当店は1970年代より50年以上かけて煤竹を蒐集しており、
大量の在庫を保有していますが、その中から30〜50φの太さの綺麗なものを選び出し、
長さ1200mmにカットしたものを1000本分作ります。
煤竹は丁寧に水洗いし、乾かしてから亜麻仁油で艶出しをし、
最後に乾拭きをして仕上げるという工程を1000本分こなします。
この煤竹は移築再生の古民家の天井材として使用される予定で、
工務店さんに納品して天井パネルを作っていただいています。
煤竹の天井パネル。
このパネルが沢山作られ、古民家の天井に使用されます。
その他建具関係や床板の仕事もコツコツと進めています。
今年もコツコツと丁寧に仕事できる一年にしていきたいです。