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現場レポート
2022/03/26

板材仕入れ

先日の3連休は、愛荘町の旧家の蔵へ、床板材の仕入れに行ってきました。

元々近江商人の邸宅であったというこちらのお屋敷は、

明治以降に再建されていましたが、質の良い木材が沢山使われてありました。

中でも蔵に使われていた床板が、750×1900×厚み30の大きさがあり、

大変杢目も細かく素晴らしいもので、今回の当店の目的はこちらでした。

1階は杉板、2階は松のジンの部分の板で、

どちらも大変目の詰まった重くしっかりした板材でした。

蔵の床板を外している様子。

解体は暗闇での作業です。

こんなに立派な一枚板が床板で使われていることは滅多にありません。

床の間の板としても通用するレベルの板材です。

板を傷つけないように綺麗に取り外していきます。

釘を綺麗に外して板に割れが出ないように作業するのはかなりの手間がかかります。

綺麗な杉の板材。

背後の水屋箪笥に対してもこの迫力です。

埃が被っていますが、近くで見ると大変綺麗な杢目が見えます。

こういった床板が杉14枚、松板のジンで4枚、買取できました。

今度は福井県の大飯町のお屋敷へ床板の仕入れに向かいます。

月に10回ほど現場へ向い、下見から仕入れまでコツコツと進めています。

いくつもの現場の打ち合わせや加工作業、

納品などを同時進行で行なっています。

 

 

 

2022/01/25

2022年の仕事始め

大雪のため長めの年末年始のお休みをいただいておりましたが、

1月も終わりに近づき2022年の仕事も徐々に軌道に乗ってきました。

 

本日はD&DEPARTMENT様のご依頼で愛知県へ足場板の納品に行ってきました。

こちらの建物に納品。

作家さんが制作しながら寝泊まりできるレジデンスのような場所にされるそうです。

足場板を磨いて接ぎ加工したものをおよそ30枚納品。

本棚の棚板として導入される予定です。

納品風景。

現場で長さをカットする際、接ぎ加工のビスケットを避けていただくため

ビスケットの位置を養生テープで記しています。

 

また、明日は京都の立ち飲み屋さんの2号店の打ち合わせに

御施主様と設計士さんがいらっしゃる予定です。

本日はその準備にも勤しんでいました。

ご依頼をいただいているのは、水屋箪笥や火鉢、欅の柱に松の梁などです。

ご紹介できそうな水屋箪笥を4点ほど準備しています。

ご依頼の寸法の欅の柱と松の梁を3点ずつ用意し、選んでいただけるようにしています。

 

また、昨年古材を納品させていただいた長浜黒壁の店舗「湖のスコーレ」様にお邪魔してきました。

店内には滋賀産の発酵食品と、全国から選りすぐられた質の高い雑貨たちが並んでいます。

店名の「スコーレ」は、school(学校)の語源となったギリシャ語だそうで、

「昔の木造の学校のようなイメージで」と設計士さんから伺っていたとおり、

洗練されつつもどこか懐かしく親しみやすい学校のような空間になっていました。

こちらの商品棚の棚板は杉の古材をうずくりにしたものです。

欅の腰板も雑貨の背景として上手く馴染んでいます。

カフェ空間に敷き詰められた古材赤松のフローリング。

全て長浜の古民家から出てきた古材を加工して再利用しています。

とても素敵なお店に古材を使っていただき、改めて光栄に思いました。

 

 

 

 

 

 

 

2021/12/28

2021年最後の仕事

年内最後の仕事は、ベルギーへの古材発送です。

一年かけて集めた床の間の地板15枚と、お寺の雨戸8枚の計23枚を、

美術品の運送業者さんが取りに来てくださいます。

一年かけて集めた主に欅の地板。

(松のジンの部分を使った地板などもあります。)

年代は明治〜昭和初期まで様々です。

すべてに管理番号のシールを貼っています。

当店スタッフが欅の地板を運んでいる様子。

運送業者さんが綺麗に高さ順に並べて積み込んでくださっています。

今回発送分の中でも特に魅力的なのがこちらのお寺で180年ほど使われていた雨戸です。

杉の目が細かく、180年雨風に晒されてきた風格があります。

お花の背景としても。

これらの古材を運送業者さんが綺麗に梱包してコンテナに積み込んで

ベルギーまで海上輸送してくださいます。

これで今年の仕事も無事終わり、来年は滋賀県の中国茶と点心のお店の内装のお仕事から始まりそうです。

来年も頑張りますので島村葭商店をご愛顧のほどどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

2021/12/11

長浜の現場と高月のお茶室

長浜の現場での当店の仕事も漸く最終工程に入りました。

こちらの現場は「長浜で長年使われてきた古材を

もう一度同じ長浜の地で蘇らせ使用する」

というテーマで古材をお使いいただいています。

製材や磨き仕上げを行なっており表面は新材のように見えますが、

実は材自体が非常にサステナブルな意味を持っています。

 

さて、長浜の古い鴨居材を製材して作った松板は、

納品後素晴らしいフローリングになっていました。

こちらが納品前の松板材です。

こちらを現場の大工さんに張っていただき、

このようなフローリング空間に仕上がりました。

古材を無駄にしないよう使える部分は全て使用したので

幅も長さもまちまちの板材でしたが、綺麗に敷き詰めていただきました。

 

また、杉の棚板は浮造り状にするためにホイルサンダーで磨き上げ、

木工作家さんに接ぎ加工をお願いしてから塗装仕上げしました。

古い板材の良い部分だけを使用しているため、非常に目の細かい棚板ができました。

木工作家さんの上手な加工のお陰で、

接いであることがわからず一枚板のようです。

色のつかない保護用の塗料で塗装しています。

柱の周りを四方から囲むかたちで棚板を留めるため、

このような形になっています。

 

この棚板を現場にて設置しました。

ダボとダボ穴にボンドを塗っています。

まずはL字に接ぎ合わせ。

その後柱に四方から囲む形で設置します。

ハンマーで軽く叩いて接ぎ合わせ部分を固定。

さて、ここでPPロープを取り出し、棚板の周りを囲んでいきます。

結束バンドでギューっと力を入れて固定します。

これで四方から圧力がかかり、板同士がしっかり接着されます。

角の部分に木を挟み込み、ロープをさらにきつくします。

接合部のはみ出してしまったボンドを拭き取っています。

接ぎ合わせ部分。

この後、2時間固定したまま放置して接着剤を乾かします。

この工程を3柱分繰り返します。

2時間後、しっかり板同士が固定されたらPPロープを取り、

仕上げに角をペーパーでなめらかにします。

出来上がりです。

こちらは商品棚になるそうです。

 

最初に納品させていただいた欅の赤身腰板も綺麗に貼られており感動しました。

約40㎡の腰板を作るのに、鴨居や柱を何十本も加工し、大変でしたが

仕上がりを見るとやりがいがあったと感じられます。

 

さて、こちらは欅のカウンター板です。

欅の鴨居を厚めに製材し、2枚接ぎの板にしました。

2枚で接いでいますが共木なので杢目が合っています。

現場で設置していただき、このようなカウンターに仕上がりました。

 

これでこちらの現場での当店の仕事は終わりですが、

オープン後、どのような空間が出来上がっているのかとても楽しみです。

 

 

また、同じく長浜市で古材を使用したお茶室を建てられている現場へ

色合わせに行ってきました。

こちらのお茶室は、愛着のある古民家を解体する際に、

部材を残して敷地内にその材を使用した思い出の詰まった空間が欲しい

というご要望で建てられています。

玄関土間の上に飛んでいる十字梁は、

元々同じ古民家内でも別の空間に使われていたため

経年変化の色合いが違っています。

統一感を出すべく古色で合わせていきます。

脚立に乗って古材を古色で仕上げていきます。

このように、元々同じ場所で経年変化してきたかのような

統一感のある十字梁に仕上がりました。

当店の古色仕上げは、「塗装」というよりも

「吹き込んで染め上げる」ような方法で着色しています。

亜麻仁油、弁柄、松煙という自然の塗料を使い、

木材の表面に布で吹き込んで染めていきます。

この方法は「塗る」よりも杢目や古材の表情がしっかりと残り、

木材が本来持っている味を活かすような技法です。

 

今年の仕事も漸く落ち着いてきて、来年に向けて鋭気を養う期間を取れそうです。

長いレポートにお付き合いいただき有り難うございました。

 

 

 

 

 

 

2021/11/27

移築用古民家解体

移築用古民家の軸組解体が終了しましたので

解体の様子をレポートします!

まずは合掌造りからです。

壁や葭や煤竹を取り払ってしまうとそれによって繋がり支えられていた部分が

何かの拍子で崩れてしまうことがありますので

危うい部分は筋交で留めてからの作業になります。

合掌丸太がつし梁から落ちそうになっていた部分があり、

そのまま解体してしまうと危ないので筋交で留め、

構造が崩れてしまうのを防ぎながら慎重に解体していきます。

古民家は部材同士を四方から留めるバランスで建ち上がっているので

少しでもバランスを崩すと一気に倒れてしまう危険性があります。

そのため構造をしっかりと見極めながら、

どこから仕口を外していくべきか判断し、

一つ一つ慎重に外していきます。

バランスが危うい部分は予め筋交で留め、安定性を保っています。

 

手で外した部材を重機で持ち上げている様子。

梁は1本数十キロから数百キロの重さがありますので、

重機で支えながらでないと折れてしまったりします。

下に落ちてしまうとそれこそ大惨事です。

仕口が外れる瞬間の動画がありますのでご覧ください。

上の梁から順番に外していき、今度は端の柱から順番に解体していきます。

大分綺麗になってきました。

最後に鴨居や貫で支えられた2対の柱達と、それを繋ぐ梁が残ってきました。

梁を外し、残った2対の鴨居と貫で繋がった柱達は、

紐で引っ張ってバランスを取りながら人力でゆっくりと地面に倒します。

もう一方も紐で引っ張りながらゆっくりと倒しています。

倒した後に地面の上で仕口を外して部材を解体していけば、

心許ない部材のバランスを気にしなくて済むというわけです。

部材をすべて回収し、後は整地をすれば解体終了です。