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現場レポート
2021/04/17

古民家調査

解体前の古民家の調査も島村葭商店の仕事の一つです。

現在は月に2〜4棟の解体予定の古民家を調査に行っています。

古い葭葺き古民家は、小屋組の状態を特によく確認します。

 

屋根裏に入って梁の状態を確認する様子。

 

小屋組の状態がよく、構造が移築再生に向いている古民家は

移築用として簡単な図面を描いたり全て手解体した場合の

見積りを出すなどして、古民家が欲しい方へ紹介します。

 

葭葺き屋根の葭が落ちてしまって

小屋組に雨が滴っている状態が長く続くと、

梁にカビが生えていたり虫が沢山入っていることが多くあります。

構造材の状態が悪いと移築再生を諦めて

良い部材だけを買い取る提案をすることもあります。

 

古民家のみでなく、古い建物の解体の話があると

部材を調査しに向かいます。

こちらは明治初期建設の芝居小屋。

11mの欅の梁が入っています。

重量にして4tほどはあると見込まれるこちらの梁は、

綺麗に外して運ぶだけでもかなりしっかりした重機が必要になります。

再び活かすことができそうな材は当店で

保管し、次の担い手を探します。

このようにして古材、古民家の調査を行っています。

2021/04/09

島村葭商店・喫茶古良慕ご紹介動画

当店をご紹介いただいた動画がyoutubeにアップされています。

外国の方にもわかりやすくご覧いただけるよう、英語の字幕もつけてくださっています。

第1回目は喫茶と古道具、古建具の部門です。

第2回は古民家移築再生について取材していただいたものがアップされる予定です。

とてもわかりやすく、楽しい動画に編集していただいたので、是非ご覧になってください。

 

 

2021/03/16

煤竹のこと

お客様が煤竹を見に来られるとのことで、準備をしています。

180年の年月を経て、青竹から煤竹と
名前が変わります。
人工的に染められた竹は染め竹と言い、
ここまでのなんとも言えない奥深い色は出ません。
永い歳月を経て、身震いする程飴色に
輝きを放つ竹を本煤竹と呼びます。
写真の様な太さが60Φを超える物で
割れが無く、色が綺麗に出ている物は大変貴重です。
本煤竹は、葭葺き屋根の葭を支える為の構造材で、
昔は身近に有る青竹や細い雑木を使って、
一本一本藁縄で編んで留めています。
それが、永い歳月の中、囲炉裏やおくどさんで
火を使った煙が上へと上がり、害虫の駆除ができるとともに
青竹に煤がこべりつき、その煤を綺麗に
落としてあげ、仕上げに一仕事すると、この様になります。

2021/03/05

古道具の修理や古建具の撮影

先日は明治頃から使われていた欅の箱階段を

修理・納品しました。

納品先は滋賀県内の個人宅で、箱階段の状態を

お客様に確認していただきながら、費用面とともに

修理を希望される箇所を相談させていただきました。

上段は特に修理箇所無し。

下段は中板と底板を別の状態の良い古板材に変更し、

外れていた取手を修理しました。

修理後も元の雰囲気を損ねないように心がけながら

補修用の古材選びをしています。

古いものは味わいがあるという良い面と、破損などで

使いにくいという悪い面を併せ持っていますが、

当店ではできる限り修理しながら長く使っていくという

日本人が昔から持っていた精神を重視しています。

 

 

また、現在当店に在庫が2000枚ほどある古建具のうち

1000枚ほどを一挙公開すべく、ネットショップを作成しています。

パソコン、一眼レフカメラなどを用いて撮影中。

撮影前に入念に建具の状態確認を行い、破損や不具合がある箇所は

全てメモしています。

こちらも箱階段同様、古いものを手入れをしながら長く使っていただくために

修理のご要望も承る予定です。

こちらは2021年5月頃公開予定ですので、どうぞお楽しみに。

 

 

最後に先日琵琶湖沿いの料亭に納品した欅の板材に

プレナーがかけられた様子を撮影しました。

古材は寸法や状態が均一ではないため、同じ寸法で状態も良好なものを

揃えるのには、実際使われるよりも多くの古材が必要になります。

その中から状態の良い部分のみを切り取って使っていきます。

製材し、プレナーをかけてもやはり新材とは違う杢目や色合いです。

仕上げに油拭きを施すと、目を見張る美しさに。

現場に納まるのが楽しみです。

 

2021/02/03

日々の仕事

琵琶湖を臨む老舗料亭の濡れ縁にお使いいただくため、

欅の鴨居を製材しています。

虫喰いなどの無い綺麗な杢目の欅材です。

今回は厚み120mmで長さが2400mm以上ある鴨居を16本も製材して、

厚さ30mm、長さ2000mmの板材を30枚取り出しました。

今から指定された長さに切断し、納品です。

 

また、先日は移築用古民家の古材の色合わせに富山へ出張しました。

鎌倉へ移築する古材を、松煙、紅殻、亜麻仁油の配合でどのような色に仕上げるかを打ち合わせしています。

紅殻が残っている古材には少し暗めの古色を作り、他の古材と色を合わせます。

島村葭商店の移築用古材は、建てた時に全ての材が調和するよう、調整しながら古色仕上げしていきます。

 

さらに別の現場に納品するための欅の柱材の磨き作業などもしています。

仕上げの油拭きで古材が杢目と艶の美しい柱に生まれ変わりました。

磨き仕上げた部分と磨いていない部分で比べると、その差は歴然です。

仕入れも継続的に行っていますので、商品入荷情報も改めて更新していきます。

在庫は豊富にございますので、古材についてのお問い合わせはお気軽にご連絡ください。