2021/06/30
有り難いことに毎日が忙しく、更新が滞っておりました。
本日は京都大原の現場へ栗の柱材10数本の納品です。
この材は先日設計士さんがご来店くださり、
並べた栗材の中から選んでいかれたものです。
栗材を吟味されている様子。
近江の古民家では栗材を使われることが少なく、当店でも
栗は希少なのですが、ある限りの在庫を並べ、
その中から寸法はもちろんのこと、材の表情をひとつひとつ眺め、
どの面を正面にするかなどを時に材を組んでイメージを確認しながら
時間をかけて選んでいかれました。
雨風に晒され時間をかけて白茶けた栗材。
汚れやささくれを落とすために磨きますが、
表面の色や表情を損なわないように工夫が必要です。
古材の選定は寸法や樹種はもちろんのこと、表情を実際に見て
磨き具合などを工夫し、吟味することがとても大切になります。
また、昨年解体した長浜市の古民家がいよいよ鎌倉の地で
建て方が始まることになりました。
こちらの古民家は元々歴史ある麹屋さんで、エピソードとして
麹作りに使われていた桶など様々なものを当店で保管していました。
保管していた箪笥や古民具をどう使うかなどの打ち合わせに設計士さんがいらっしゃり、
当店の在庫の中からも内装に使えるものを選んでいただきました。
また、明日は古材の色合わせで再度富山に出張予定です。
近江の古民家が鎌倉の地で生まれ変わるのが今から楽しみでなりません。
また、移築再生やテナントさんの話も沢山いただいており、
まだ打ち合わせ段階の案件も多いのですが、日々楽しく仕事をしております。
滞りがちな現場レポートですが、次回の更新もお待ちいただければ幸いです。
2021/05/11
コロナ禍でご来店が難しいというお客様にも商品をご覧いただけるよう、ネットショップを開設しました。
まずは在庫約1000枚に及ぶ古建具の中から、700枚ほどを一挙公開いたします。
古建具を探しておられる方は、是非ご覧ください。
商品に関するお問い合わせ、修理のご相談などはお問い合わせフォームからご連絡ください。
2021/04/17
解体前の古民家の調査も島村葭商店の仕事の一つです。
現在は月に2〜4棟の解体予定の古民家を調査に行っています。
古い葭葺き古民家は、小屋組の状態を特によく確認します。
屋根裏に入って梁の状態を確認する様子。
小屋組の状態がよく、構造が移築再生に向いている古民家は
移築用として簡単な図面を描いたり全て手解体した場合の
見積りを出すなどして、古民家が欲しい方へ紹介します。
葭葺き屋根の葭が落ちてしまって
小屋組に雨が滴っている状態が長く続くと、
梁にカビが生えていたり虫が沢山入っていることが多くあります。
構造材の状態が悪いと移築再生を諦めて
良い部材だけを買い取る提案をすることもあります。
古民家のみでなく、古い建物の解体の話があると
部材を調査しに向かいます。
こちらは明治初期建設の芝居小屋。
11mの欅の梁が入っています。
重量にして4tほどはあると見込まれるこちらの梁は、
綺麗に外して運ぶだけでもかなりしっかりした重機が必要になります。
再び活かすことができそうな材は当店で
保管し、次の担い手を探します。
このようにして古材、古民家の調査を行っています。
2021/04/09
当店をご紹介いただいた動画がyoutubeにアップされています。
外国の方にもわかりやすくご覧いただけるよう、英語の字幕もつけてくださっています。
第1回目は喫茶と古道具、古建具の部門です。
第2回は古民家移築再生について取材していただいたものがアップされる予定です。
とてもわかりやすく、楽しい動画に編集していただいたので、是非ご覧になってください。
2021/03/16
お客様が煤竹を見に来られるとのことで、準備をしています。
180年の年月を経て、青竹から煤竹と
名前が変わります。
人工的に染められた竹は染め竹と言い、
ここまでのなんとも言えない奥深い色は出ません。
永い歳月を経て、身震いする程飴色に
輝きを放つ竹を本煤竹と呼びます。
写真の様な太さが60Φを超える物で
割れが無く、色が綺麗に出ている物は大変貴重です。
本煤竹は、葭葺き屋根の葭を支える為の構造材で、
昔は身近に有る青竹や細い雑木を使って、
一本一本藁縄で編んで留めています。
それが、永い歳月の中、囲炉裏やおくどさんで
火を使った煙が上へと上がり、害虫の駆除ができるとともに
青竹に煤がこべりつき、その煤を綺麗に
落としてあげ、仕上げに一仕事すると、この様になります。